オー マイガー

　友達と、甲浦の磯に行って来るので道具を貸してくれと言われ、
二つ返事で了解し、磯釣りの心構えなど説きながら、基本の仕掛けの説明と、
糸の結び方、ハリのくくり方、餌の撒き方を説明する。

　何しろ、私が付いて行ってやれないし、友達というのも、まだ娘の相方より、
経験が乏しいらしい。まぁ言ってみれば、磯釣り2回目の息子が上・・・・。
信じられない。『タマゴクラブ』が若葉マークを付けて二人で磯へなんて・・・。

　息子は、手帳に仕掛けのメモをとりながらも、まだ釣ったことのない、
想像しかできない、グレの魅力で夢が一杯のようだった。

　気になって、朝電話すると、20センチ位のグレが釣れたので、嬉しいとの返事。
まぁええかと思い、状況を聞き、少し釣り方をアドバイス。

　それからは電話もなく、私は、木っ端グレでも、まぁ釣れて良かった。
ええ経験になっただろうと思い、胸をなでおろした。
トーヤン２人にしては、上出来、上出来、塩焼きの準備でもしてやれと
家内に話していたところに、電話・・・・・。
『お父さん、４０センチ超えたのを釣りました。しかも尾長だそうです。』

　息子が釣って、嬉しさはまた格別なのだけれど、　
いとも簡単に釣られてしまうと、ちょっとだけれど微妙である。
私が４０センチオーバーを釣るのに費やした時間を、つい比べてしまう。

　魚拓を採って貰いながら、私の教え、道具、仕掛けが、良かったのだと、
自慢をすると、いや私の餌の混ぜ方が良かったのだとも・・・・・。
一番ひどいのは、お父さんの言うことを聞かなかったから、釣れたんじゃ。


　　　　　　　　　　　　APRIL　COME　SHE　WILL